平野製品NEWSマガジン平野通信機材の気になる製品やニュースを徹底紹介
シブヤ系FAのミライ

平野 Meets the Maker「日本テレガートナー」

2019.04.26 メーカー特集

売る人の顔が見える製品を、顔が見える店から買いたい。毎回、様々な弊社取扱メーカー担当者にインタビューする「平野 Meets the Maker」。今回のゲストは日本テレガートナー株式会社の佐藤さんです。日本テレガートナーといえば、近年FA系のコネクタや同軸ケーブルが好調のメーカーさんです。今回はそんな日本テレガートナーでソリューション営業を担当する佐藤さんにお話を伺いました。

―― 自己紹介をお願いします。

「日本テレガートナーのソリューション営業部の佐藤です。

皆様からテレガー『ド』ナーと言われてしまいますが、テレガー『ト』ナーが正式名称です。濁らないんですよ。社名アルファベット『gartner』を思い浮かべていただきますと間違わないと思いますので、ぜひ英語表記も覚えていただけると幸いです」

本社オフィスは「桜坂」で有名な渋谷の桜丘町にある。オフィスは渋谷とは思えないほどの閑静な立地

―― 日本テレガートナーとはどのような会社でしょうか?

「弊社はドイツに本社を構えるファミリーカンパニーです。『ガートナー』は創業者一族の名前に因みます。その日本法人である弊社はFTTH※1時代が本格的に始まった1995年に創業しました。日本テレガートナーでは、日本の他にアジアオセアニア地域を統括しています。社員数15人と少ない会社ですが、社内には海外営業部もありますし、専任技術者も常駐しております」

※1 Fiber To The Home。光ファイバーを伝送路として一般個人宅へ直接引き込む、アクセス系光通信の網構成方式のこと。

―― 御社の強みや競合他社との違いは何でしょうか?

「競合他社といえば、コムスコープさんやフェニックスコンタクトさん、ハーティングさんなどと言われますが、弊社の場合取扱い製品がかなり多いので、製品ジャンルごとに競合が存在します。他と被らないユニークな製品とラインナップの豊富さが弊社の特徴かと思います。

もう一点は、常に最先端規格を取り揃えることです。例えば、出たばかりのカテゴリ8関連製品も、弊社では既に多くのラインナップがあります。弊社では、売れる売れないに関わらず、最新の規格はすぐに製品化するようにしています。主力のFA系製品もそのような体制から主力になっていきました」

社内に掲げられたカテゴリ8、カテゴリ8.1、カテゴリ8.2の製品案内

―― さきほどから出ている「FA系」について教えてください。

「まず『FA』とは『Factory Automation』を指す言葉です。意味は、製造業企業における工場の自動化のことです。世界規模の人件費高騰などで、製造業の自動化が世界的なムーブメントになっています。

『インダストリー4.0(第4次産業革命)』という言葉を知っていますか? インダストリー4.0は、ドイツ政府が同国内の産官学連携体制を整え主導し、推進している国家プロジェクトです。この考えは、IoTの進展とともに日本でも注目を集めるようになりました。そのコンセプトは『スマートファクトリー(考える工場)』という考え方です。工場のスマート化を実現するには、インターネットだけでなく、IoT、ビッグデータ、AI、産業用ロボットなどの活用によるエンジニアリングチェーン、サプライチェーンのネットワーク化が欠かせないと言われています。 弊社は、インダストリー4.0発祥の地であるドイツが本社です。そのため早くからFAに注目し、それを実現するネットワークソリューションを提案しています」

FA系(左)と通常(右)のモジュラープラグの比較。ステンレス鋼でかなり堅牢な作りになっている

―― FA系製品とは具体的にどのようなものですか?

「簡単にいえば工場使用に耐えうる強靭な堅牢性を持ったネットワーク部材です。FA系の大きな特徴は、ケーブルで言えばノイズ対策用にシースが2重になっていることが挙げられます。工場ネットワークの一番の問題は、ノイズ対策なんです。センサーやカメラが張りめぐされた工場内は多くのノイズが発生し、それがネットワークに悪影響を与えてしまいます。それを防止するのがFA系製品なのです。

さらに、差し口が耐久・防塵・防水・耐振動仕様を要求されている点も特徴です。そのためFA系の製品は工場のほか、鉄道や高速道路などの交通機関でも多く採用されています。

FA系といって、身構える必要はございません。ネットワークの構築自体は、普段みなさまが親しんでいるオフィスネットワークの構築と変わりません」

アクセスポイント、センサー、カメラ等が複雑に連動する次世代の工場

―― さて、ここ最近のオススメ製品は何ですか?

産業用メディアコンバータとスイッチングハブ

「ファストイーサネット(100Mbps)、ギガビットイーサネット(1Gbps)対応製品をご用意 高温度範囲対応。標準でDINレールへの取り付けも可能としているので工場の制御盤・配線盤内に取り付けも容易です」

産業用メディアコンバータ(左側:NSD-103-A-C、右:NFS-0540)

IP67仕様ギガビットイーサネットスイッチ

「M12コネクタを使用した、IP67仕様ギガビットイーサネットスイッチもオススメです。FAだけではなく、鉄道車両内配線で採用されています。機内のサイネージやアクセスポイント用の配線に最適なスイッチです。接続部がネジ式になっていて振動による接触不良もありません。防水用に差し口がゴムパッキンになっているので、車内や駅使用に最適です」

IP67仕様ギガビットイーサネットスイッチ

「ここで、話題の5G※2関連商品に関しても説明させてください。5Gの整備が全国で進んでいることは周知のことかと思います。弊社製の工事部材が大変売れています」

※2 第5世代移動通信システム。5Gは通信の高速化だけでなく、身の回りのありとあらゆるアイテムがワイヤレスでネットワークに繋がることになる。同時に多くの端末を接続できることから、IoT化が一気に進むと予測されている。

OTA※3測定用ケーブル

「かなりニッチなケーブルです。でも5G環境整備には絶対に必要な製品です。5Gは身の回りのありとあらゆるアイテムがワイヤレスで低遅延でネットワークにつながります。よって、今までの4G・LTEの時代とは違いリアルタイムでつながるアイテムへの測定方法が大きく変わっております。 そこで弊社では、5G測定で要求されるOTA測定に適したテスト用のケーブルを準備しております」

※3 「Over the Air」の略。OTAは、無線ネットワークを利用(経由)した通信を指す言葉。主にデータの受信・同期の際の通信手段として、有線ではなく無線で行っていることを示す際に用いられる

OTA測定用ケーブル

特許取得済!! アンテナ用ケーブル固定器具

「5G用アンテナからの配線を固定する器具です。一定間隔でケーブルを固定するのが工事の原則なのですが、従来版は取り外しが大変で、作業中器具が落下するトラブルが多いのが問題でした。この製品は側面からの取り外し可能で器具の落下もなく、工事を安全かつスムーズにできるようになります。5Gにおいては、電波があまり届かないミリ波となりアンテナ整備の要求が多いと聞いています。作業のしやすい弊社製品が、5G整備のお役に立てればと考えています」

左:アイディア製品のLCOタイプ(左)と定番のUCOタイプ(右)。右:アイディア製品のUCOタイプは側面のからのケーブル固定が容易な構造になっている

―― 最後にHPをご覧の皆様へ一言よろしくお願いします。

「私たち日本テレガートナーは、現在のネットワークインフラ整備での製品提供だけでなく、未来へ向けて、グローバルで最新な製品を提供させていただいております。 特に今注目しております FA系・5Gの市場においては製品を充実させておりますので、是非ご相談いただければと思います。よろしくお願いいたします」

平野営業から一言

平野営業

日本テレガートナーさんは、通常のNW配線のみならず、FAや鉄道、携帯基地局等、特殊な環境向けの製品まで取り揃え、色々なご提案が出来るメーカーです。海外メーカーとは思えない素早い対応も魅力です。