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全力NYC(ナイス)プレーで

平野 Meets the Maker「ナカヨ電子サービス」

2019.04.18 メーカー特集

売る人の顔が見える製品を、顔が見える店から買いたい。毎回、様々な弊社取扱メーカー担当者にインタビューする「平野 Meets the Maker」。今回のゲストはナカヨ電子サービス株式会社の笠原さんです。ナカヨは今年創業75年周年を迎える国産通信機器メーカーの老舗です。主力製品のNYCシリーズはビジネスホンのベストセラーで、NYCを絡めたソリューションは介護現場やホテルで支持されております。今回はそんなナカヨグループの品川オフィスを訪ね、ナカヨ電子サービスの笠原さんにお話を伺いました。

―― 自己紹介をお願いします。

「ナカヨ電子サービス、ビジネスパートナー部 営業1課の笠原です」

―― 恵まれた体格を活かして、昔は高校球児だったとか?

「野球は大学までやっていました。ポジションは投手でした。高校の時、ダイエーの松中選手※1にホームランを打たれたこともあります(笑)。高校では地方大会決勝までいったんですよ。大学でも野球をやっていて、実業団への進路もあったのですが、スカウトを賭けた試合で負けてしまい、野球は諦めました。当時の大学監督の紹介でナカヨに入社しました。後年すぐにその実業団が廃業してしまったので、人生分からないものですね。

ちなみに身長は大きいほうですが、社内では3番目なんですよ」

※1 松中信彦。熊本県八代市出身の元プロ野球選手。平成唯一の三冠王でもある。プロ通算352本塁打で、NPB史上初の3年連続120打点達成者

―― ナカヨ電子サービスはどのような会社でしょうか?

「弊社は株式会社ナカヨの100%子会社で、主にナカヨブランドのビジネスホンや介護システム、ホテルシステムをメーカーとして販売しており、ナカヨグループの中でナカヨブランド製品を販売する部門が独立したのが弊社になります。また、ナカヨブランドの製品以外にもISP事業や光コラボ回線、セキュリティーサービス等、様々なアイテムを展開しユーザーニーズに応えております。

弊社を語る際、ナカヨグループ全体としてお話したほうが分かりやすいので、今日はそのようにさせていただきます」

品川のオフィスにはナカヨのグループ企業が並ぶ。オフィスにはソリューションを体験できるショールームが隣接

―― ナカヨの歴史について教えてください。

「ナカヨは1944年に東京世田谷区で創業し、群馬県前橋市に2つの工場をもっています。創業時は逓信省※2から電気通信設備の払い下げを受け、部品の再生、有用材料の活用をしていたそうです。次第に電電公社※3の黒電話※4の製造を始め、この頃より電話総合メーカーの原型が形成されていきました。ちなみに『ナカヨ』の社名は創業者の中村与一郎に由来しています。

実は10年前まで創業地である世田谷のオフィスも現役だったんですよ。『ロングバケーション』※5というドラマでは世田谷オフィスの『NAKAYO』のロゴ看板が写っているので、ぜひ探してみてください」

※2 かつて日本に存在した郵便や通信を管轄する中央官庁。 内閣創設時から第二次世界大戦中の行政機構改革で統合されるまで、交通・通信・電気を幅広く管轄していた
※3 かつて存在した日本電信電話公社関係法令による公法上の法人。現在の日本電信電話株式会社(NTT)、NTTグループの前身である
※4 日本電信電話公社が一般加入者に提供したダイヤル式の電話機のこと
※5 1996年4月から6月までフジテレビ系の「月9」枠で放送されたテレビドラマ。主演は木村拓哉と山口智子

国産黒電話製造と通信機器メーカー
黒電話とは逓信省(後の総務省)及び日本電信電話公社(後のNTT)によって制式化され、一般電話加入者に提供された各電話機を総じて呼称します。この黒電話の製造をしていたのが、岩崎通信機・神田通信工業・大興電機製作所(現:サクサホールディングス)・田村電機製作所(現:サクサホールディングス)・東芝・ナカヨ通信機(現:ナカヨ)・日通工(現:NECプラットフォームズ)・長谷川電機製作所(現:富士通アイ・ネットワークシステムズ)・明星電気【50音順】でした。国内主要通信機器メーカーのルーツは黒電話製造にあります。各部品ごとの分担製造で、ナカヨの担当は送話器・受話器だったのだとか。

 

送話器・受話器の原料には、ベトナム産の石炭であるホンゲイ炭が使用された。ベトナム戦争時は調達が難航し苦労したのだとか

 

ショールームにはその原料であるホンゲイ炭が今も展示してある

―― 他の通信機器メーカーとの違いや特徴は何ですか?

「販売店様のサポート体制です。ここ品川オフィスには専門のサポートセンターがあります。技術スタッフが同じ実機を見ながら、販売店様をサポートいたします。会社の中にこれだけのサポートセンターを持っていることは、珍しいと思います。

また、弊社営業は営業であると同時に技術スタッフでもあります。すべての営業は、マニュアルを熟知し、設置・設定などは全営業社員ができる体制を取っています」

社内のサポートセンターの様子。壁には主装置や基盤が並び、実機を見ながらのサポートが可能となる。通常非公開のエリアだが、今回特別に撮影させていただいた

―― さて、ここ最近のオススメ製品は何ですか?

NYC-Siシリーズ

「主力電話機『NYC-Siシリーズ』はオススメです。弊社では、様々な業種ごとのNYC-Siを使ったソリューションを提案しております。NYC-Siは、ビジネスホンだけではなく、受付システムや緊急呼出コールシステムなど様々な使用が可能な電話機です。

ちなみに型番名の『NYC』は元々は『ナカヨコーポレーション』の略から来ていると思うのですが、今では『NYC』を『ナイス』と読ませ、『ビルNYC』『ケアNYC』等の愛称として親しまれています。詳細は以下参照 http://www.nyc.co.jp/products/nyc-si/index_si.html

リンク : ナカヨ「NYC-Si」がいい感じに進化した

NYC-Siシリーズの「NYC-18Si-IPLDW」は大きな液晶ディスプレイが特徴。受付システムの他、テレビ電話、簡易テレビ会議に利用可能

同じNYC-Siでも業種ごとに内容を変えてチラシを制作している

NYC-Si緊急呼出コール(NYC-Siソリューション)

「NYC-Siを使った介護施設向けソリューションです。病院や介護施設で多数の導入事例があります。小規模から大規模施設まで対応しており、従来のナースコールに比べて低コストでの導入が可能です。さらに、呼出履歴管理やキュリティなどのオプションも充実しています。もちろん、電話機は電話としても使用も可能です。詳細は以下参照 http://www.nyc.co.jp/products/nyc_kcall/index_kcall.html

呼出ボタンを押すことで施設オフィスの内線に着信し会話が可能

ドア前の集合廊下灯(ES-4LIGHTBOX2)は、ベッドごとの色分けLED表示が可能。実際の介護施設で徹底取材したきめ細かい作りがこだわり

「最近はインカムをナースコールと連動するシステムも人気があります。施設では人手不足が深刻でオフィスの机に常時いる施設員の方が少ないそうです。そのような場合に、このシステムがあれば緊急時もトランシーバーを使った複数人の会話が可能となります」

システム構成例。ナースコールからの呼出があると、全スタッフに音声で通達します。その後対応したスタッフとインターホンの1対1の通話となる。介護の分野では、人手不足からインカムの使用が進んでいる

IPインターホン「Comelit」

「イタリア製のIPインターホン『Comelit』もオススメです。弊社が総代理店になっており、高いデザイン性と機能性が自慢です。スマートフォン利用、リモートメンテナンスと、IPならではの機能で入居者さまや管理者さまのライフスタイルにフィットしたシステムを構築できます。LAN配線でしかも住戸機器全機種PoE給電対応のため、各住戸の電源工事も不要で設計・施工が容易です。詳細は以下参照 http://www.nyc.co.jp/products/sjipi/index_sjipi.html

LANケーブルによる配線とPoE給電により別途電源も不要で、簡単に構築が可能。後付けの集合玄関機としても最適

―― ビジネスホン業界の話題は何ですか?

「お問い合わせで多いのが、PHS※6サービスの終了の件です。キャリアのPHSサービスは2020年7月末をもって終了しますが、弊社PHS製品は継続して販売します。構内PHSシステム製品は継続して使えるので、混同しないでいただければと思います。

また、業界ではスマホの内線化がブームになっています。携帯キャリア各社のFMCサービスや新規のIP-PBX導入、クラウドPBXのアプリの活用など、各社様々な方式を模索しています。弊社もNYC-Siシリーズのオプションで2種類のスマートホン連携アプリを用意しています」

※6 家庭内で使用するコードレス電話の子機を、そのまま屋外に持ち出して携帯電話としても使用できる簡易型デジタル電話システムのこと。携帯電話と比べ、利用可能地域が狭く高速移動中の通話に弱いという欠点はあるが、設備費用や通話料が安くデータ転送速度が速い。

―― 最後にHPをご覧の皆様へ一言よろしくお願いします。

「今回ご紹介したソリューションの他に弊社では現在、工場IoTにも力を入れております。弊社前橋工場はそのモデルケースとしておりますので、是非ともお客様をお連れし見学にいらしてください」

平野営業から一言

平野営業

近年のナカヨさんの特徴は、ビジネスホン以外にナカヨブランドで様々な製品を販売していることだと思います。自社ブランドでは、UPSやUTM、雷防護製品など幅広いラインナップがあります。もちろん、サポートはナカヨさんでやっていただけます。これにより、ソリューションの一括購入が可能になり、保守も1社でまとめられるメリットがあります。