メーカー特集
2019.04. 1

テスター界のロールスロイス
平野 Meets the Maker「フルーク・ネットワークス」

毎回、様々な弊社取扱メーカー担当者にインタビューする「平野 Meets the Maker」。
今回は、LAN配線敷設工事あるいは一般企業やデータ・センター、また最近ではファクトリー・オートメーションなどの配線性能を保証するための認証試験およびトラブルシューティングなどで使用されているケーブル・テスターの世界的なリーディング・カンパニーであるフルーク・ネットワークスの日本での事業部門である株式会社TFFフルーク社を訪問し、フルーク・ネットワークスのケーブル・テスターがなぜ市場で圧倒的な支持を得ているのか、そして、お奨めの機種とそのアピール・ポイントは何なのか、さらに買い時はいつなのかについて同社のフィールド・マーケティング、テクニカル・マーケティング・コンサルタントの天本英樹さんにお伺いしました。

 

―― ケーブル・テスターの話の前に、ケーブル・テスターが使用される情報通信における物理層の重要性についてお聞きしたいと思います。

「ご存知のように、今日のIoT時代を迎え、スマート・ビルディング、スマート・ファクトリー、スマート・シティーとあらゆる分野でインテリジェント化が進み、ネットワークで伝達される情報量は爆発的に増え続けています。それを支えるICTは我々の生活、企業活動の基盤を支えるものとなり、まさになくてはならないものになっています。

このネットワークの安定的な運用を支えているのが、ネットワーク・インフラとしての物理層を構成する情報配線システムです。ネットワークの上位層で運用される様々なアプリケーションを使った日々のビジネスも、いったん、配線が断線、あるいは伝送性能が劣化するとすべてが影響を受けてしまいます。このことからも、適切にネットワーク配線システムを構築することは極めて重要なことです。

読者様の中には日々のネットワーク・トラブル解決に当たっている方もおいでかと思いますが、弊社のアンケート調査によれば、ほぼ70%近い方が『ネットワーク問題の原因』として『ケーブル配線システムの性能問題』『断線』『性能劣化など接続性』に関する物理層問題をあげています。

これらのことからも、あらためて物理層の重要性に目を向け、その性能保証やトラブルシューティングに欠かせないケーブル・テスターをネットワークの敷設あるいは管理に当たる方々は、是非、手元に置いて欲しいと思っております」

※Information and Communication Technologyの略。情報・通信に関する技術の総称。従来から使われている「IT(Information Technology)」に代わる言葉として使われている。海外では、ITよりICTのほうが一般的である

   

物理層の重要性に関する調査結果(2017年5月 株式会社TFFフル―ク社実施による)

―― ケーブル・テスターに馴染みのない方のために、そもそも、ケーブル・テスターとは何でしょうか?

「一般に構内 LAN 配線やデータ・センターに使用されるケーブルは、メタルの対撚り線や光ファイバーケーブルが使用さています。ケーブル・テストでは、この情報配線システムに使用される配線ケーブルの物理的な伝送特性を測定し、配線が正しいかどうか、あるいは、仕様、あるいは、規格に定めた伝送性能を満たすかどうかを試験します。これに使用するのが『ケーブル・テスター』と呼ばれ、メタル配線試験用ケーブル・テスターと光ファイバー配線試験用ケーブル・テスターの2種類があります。詳細は以下参照 『ケーブル・テスター選択の基本知識』

―― ケーブル・テスターにはどのような種類がありますか?

「ケーブル・テスターは使用目的によって以下の3種類があり、それぞれに使い分けがなされています」

1. 認証試験用ケーブル・テスター

規格に入っていることを証明するためのテスターで、新規の配線システムや既設のネットワークの移設・増設・変更に伴う試験において、敷設した配線システムが配線仕様に規定された規格性能に入っていることを証明して、最終ユーザーにレポートを提出するためのテスター

2. 検証用ケーブル・テスター

すでに敷設されている配線システムの性能・動作の確認用テスターで、ネットワーク工事業者・保守業者あるいはネットワーク・オーナーの管理者の方が、既に稼働しているネットワーク・インフラが目的とするネットワーク・スピードに対応しているかをチェックしたり、障害発生時のトラブルシューティングや配線チェックなど保守用に最適なツール

3. 検査用ケーブル・テスター

配線が正しいかどうかのチェック用テスターで、工事現場、あるいは日々のネットワークの運用管理で、ケーブルの不具合が見つかった時の配線確認のための簡易チェッカー。配線の他、長さも測定できるものもある

   

メタル配線用テスターの分類とモデル。上位機種になればなるほど「検査」「検証」「認証」が1台で可能となる

―― ネットワーク認証試験は重要ですか?

「大変重要です。メタルや光ファイバーを用いたLAN配線を行う敷設業者は、業界規格で定める配線性能に適合していることを証明するための認証試験を実施するとともに、その結果レポートを顧客に提出しなければなりません。

また、同時に認証試験に100%合格した結果レポートこそが敷設されたLAN配線システムのネットワーク性能を保証する唯一の証明となるため、LAN配線の敷設を依頼する発注者側もきちんと発注仕様書に認証試験の実施と結果レポートの提出を盛り込む(それを条件とする)ことを忘れてはなりません。1年毎の校正も証明書の提出も義務付けられておりますので、年度毎の校正も忘れずにお願いします。詳細は以下参照 『情報配線の試験要領書 (Rev C2)』

本社オフィスは品川に構える。社員数は10人程度。オフィスにはフルークのグループ企業がずらりと並ぶ

―― フルーク・ネットワークスのケーブル・テスターが提供するメリットは何ですか?

「認証試験用テスターは、いくつかあるケーブル・テスター・ブランドの中では市場への浸透度が最も高い点からも最も売れ筋の商品です。

フルーク・ネットワークスの認証試験用テスターは長い歴史があり、それまでアナログ方式であった測定方法をパルス信号によるディジタル解析手法を駆使したケーブル・テスターを設計し、1995年に最初のモデルDSP-100 を初めて世に出したテスターの老舗メーカーであり、これまでに蓄積したノウハウや技術資産を活かして設計された前世代のケーブル・テスター DSX-1800は、全世界で4万台以上を出荷した驚異の実績があります。

このDSX-1800 の後継機が2013年に発表された現在の次世代型ケーブル・テスター、Versiv (バーシブ)ファミリー製品の一つであるDSX-8000ケーブル・テスターで、DTX-1800同様、全世界のケーブル/部材メーカー、敷設工事業者から数々の推奨の言葉が寄せられています」

   

DSX-8000/5000ケーブルアナライザーとVersivファミリー製品

認証試験時間を短縮する『Versiv』
ここでVersivを次世代型と呼ぶ理由を説明すると、それはVersiv が、これまでのケーブル・テスターになかった、認証試験プロセスを短縮する画期的な概念をその設計思想に盛り込んだことにある。つまり、それまでは認証試験時間の短縮するために、単に1本1本のケーブルの試験時間の速さを競うものであったものを、Versivは作業者が試験に至るまでの「計画」「セットアップ」、さらに「テスト(試験)」とそれに続く「トラブルシューティング」「レポート作成」「システムの検収」までのすべてのプロセスにわたって、作業の効率性を高めるための新たな機能を盛り込むこんだことである。(これにより、認証試験のプロセス全体のトータルな効率化が実現することにより、それまでにかかっていた認証試験工数を65%削減するという驚異的な結果をもたらした。詳細は以下参照 『Versivが認証試験コストを65% カットする8つの理由』

 

  

―― フルーク・ネットワークスのお勧めのケーブル・テスターは何ですか?

「Versivファミリー製品です。 Versivファミリー製品は、前述のように認証試験プロセス全体の効率化に着目した製品で、時間のかかる設定作業への対応や不合格時の自動診断、試験のプランニングからレポート作成および提出まで、作業のすべての効率化を実現します。また、最新のカテゴリー8 配線規格をサポートするのはもちろん、PoE(パワー・オーバー・イーサネット)、APや監視カメラ用途のMPTL (Modular Plug Terminated Link)、産業用イーサネット向けのE2E (End to End) リンク、M12コネクター対応モジュールなど、新しい規格や技術、トレンドにも対応した幅広い機能も備わっています。

認証試験は、試験規格やケーブルIDなどの正しい設定から、テスト、試験が不合格になった場合のトラブルシューティング、大量に測定された試験データの集計とレポート作成までを、いかに間違いなく、迅速に実施できるかが重要です。

こうした一連の作業の中で、特に多くの時間を費やすのはテスト自体ではなく、セットアップやレポート作成です。これに対して、Versivファミリーの「DSX-8000」(メタル配線の測定)、「CertiFiber Pro」(光ファイバーの損失測定)、「OptiFiber Pro」(光ファイバーのOTDR測定)、「FI-7000 FiberInspector Pro」(光ファイバー端面の検査)をはじめとした製品群は、試験作業に対してプロジェクトという概念を採用し、作業の容易化と効率的な配線認証管理ができるようにした「ProjeX(プロジェックス)管理機能」を搭載しています。そのため、多数の現場にわたる複雑化した全ての試験管理をプロジェクト別に一元化できます。これにより、常にセットアップやレポートにかかる時間やコストを少しでも削減することを求められている現場作業者や施工管理者は、そのプレッシャーからも解放されます」

同ファミリーはスマホライクなタッチパネル操作やソフトウェアキーボード入力を実現するユーザーインタフェース「Taptive(タップティブ)」により、直感的な操作を実現する

   

―― お得に購入する為のキャンペーン活用方法は?

「現在、フルーク・ネットワークスでは、2019年4月1日から6月28日まで期間限定のVersivファミリー製品を対象としたスプリング・キャンペーンを開催しています。

このキャンペーンには、Versivファミリー製品とゴールド・サポート・サービスとの同時購入でキャッシュバック(70,000円~最大300,000 円) の特典が用意されている。さらに、旧製品のDTX-1800シリーズ・ケーブルアナライザーを持っていればトレードアップのキャッシュバック(30,000円~最大310,000 円)も受けられるというメリットもあるので認証試験用ケーブル・テスターの購入を検討されている方は、このチャンスを見逃す手はありません!!」

正規販売店はお得なキャンペーンがいっぱいです

リンク : フルーク・ネットワークス スプリング・キャンペーン2019

―― 以上、フルーク・ネットワークスの最も力を注いでいるVersivファミリー製品をメインに紹介してきましたが、新製品の情報も教えてください。

「まず、光ファイバー用のテスター『FI-3000 MPOコネクター端面検査スコープ』です。これは業界初の8~32芯までのMPO端面の全体を1回の操作で、1芯当たり2秒以下で光ファイバー障害の主原因であるコネクター端面の汚れを瞬時に自動合否判定できるMPOコネクター端面検査スコープです」

FI-3000 MPOコネクター端面検査スコープ

「もう一つが、『MicroScanner®PoEビューアー』です。Ethernet Allianceの認証プログラムに従ったPoE機器のクラス識別を行い、給/受電機器間の相互適合性問題を解決し、機器の速度能力判別、ケーブル長、配線の接続性試験等を1台で対応する優れものです」

MicroScanner®PoEビューアー

「どちらのモデルも、これまでになかった業界初の機能を盛り込んだもので、『FI-3000 MPOコネクター端面検査スコープ』はデータ・センターでのMPO配線システムの障害で最も多い端面の汚れ確認を1回の操作で合否判定ができ、『MicroScanner®PoEビューアー』はPoE敷設時の複雑な給電/受電機器間の相互運用性問題の解決を手助けする画期的な製品である。価格も安価 (税別 83,000 円~)に設定されているのでPoE敷設に関わる現場技術者にとっては必携のツールと言えます」

―― 最後にHPをご覧の皆様へ一言よろしくお願いします。

「LAN配線システムの認証試験は、あらかじめ選択した配線規格のリミット値を試験結果が満たしていることを証明するレポートをお客様に提出することで初めて完了し、敷設工事の検収をあげることができます。これが正しく行われるための大前提は、使用するテスターが正しく校正され、レポートに記載された試験日が校正期限内に入っていることが必須条件です。

つまり、校正期限の切れたケーブル・テスターを使った認証試験は、工事のやり直しや収益の悪化につながることになります。校正サービスの終了したDTX-1800等の弊社旧テスターをお持ちの皆様は、是非とも、この機会に校正の重要性を認識していただき、スプリング・キャンペーンを活用したVersivファミリー製品へのアップグレードをご検討いただければと思います」

平野営業から一言

平野営業

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